北九州市のお客様から伺った実家の解体作業について
福岡県北九州市のお客様から伺ったケースです。
相談者は50代半ばの男性で、長男ではありますが現在は実家から離れ広島県で暮らしていらっしゃいます。
北九州市の実家にはお父様とお母さまがお二人で住んでいらっしゃいます。
実家は男性が生まれる前に建てられたものでとても由緒あるものでしたが、老朽化のため男性は解体を検討されていました。
しかしながら実家の解体にはお父様が断固反対され、計画が全く進みません。
男性の実家はあちこち劣化がすすみ、大きな地震などには耐えられそうもありませんでした。
災害が起きたら一大事です。急いで解体を進める必要があります。
困り果ててしまった男性からのご依頼は、解体のために父の説得をしてほしいというものでした。
急いでご両親の同意を得るための準備をすすめなければなりません。
しかしながらその後間もなく、なんと男性のお父様が亡くなってしまったのです。思わぬことに相談者の男性も狼狽していらっしゃいました。
実家の解体に反対されていたお父様が亡くなってしまわれたので、喪が明けたのち、男性の実家の解体作業は始まることになります。
名義人の変更
ただ、ここで大きな問題が一つありました。
実家の名義人が変更されておらず、お父様のままだったのです。
建物の解体を行うには、その建物の名義人の許可、すなわちお父様の許可が必要なのです。
名義人の方が亡くなってしまった場合、とても面倒な手続きが必要になります。
まず、その建物について所有権を行使できる法定相続人をリストアップしなければなりません。
なぜなら、遺言書がない場合は相続人全員の共有財産ということになるからです。
リストアップができたら、次は相続人全員から解体についての承諾を得なければなりません。
これをしないと、後々承諾しなかった人とトラブルになる可能性があります。
承諾を得る代わりに、誰が建物を相続するのかを決定する遺産分割協議書を作成する方法もあります。
ただ、この遺産分割は相続人それぞれの思いが違うこともあり、すんなりと決まらない場合があります。
男性の場合は、相続人全員の承諾を得て解体することができましたが、全員の承諾を得るのはとても大変だったそうです。
遠く離れて暮らしている親族も多く、なかには連絡が中々つかない人もいらっしゃったそうです。
このように、名義を変更しておかないと大変な手間が必要となります。
男性はお父様が亡くなって2年後に、ようやく実家の解体を進めることができました。
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