生前整理と終活
高齢化社会と叫ばれてから久しく、生前整理、終活という言葉が広く知られるようになりました。
終活とは「自らの人生の終わりに向けた活動」の略語で、自分が亡くなった際の葬儀、お墓、遺言の準備や、財産相続、身の回りの生前整理などを行なうことを指します。
今回は終活をする必要性やタイミング、終活に関する疑問にお答えしていきます。
終活の2つの大きなメリット
ここでは、終活の大きなメリットを2つご紹介します。
身の回りと気持ちの整理ができる
自身に関すること(本籍地・家系図など)を整理することで「人生の振り返り」や、溜まっていた不用品を整理・回収することで生活スペースも広くなり気持ちも一新できます。
基本的に不用品の回収には料金が掛かりますが、リサイクルショップや不用品回収業者、自治体など多く種類があるので、身の回りの不用品に合わせた整理をお勧めいたします。
残されたご家族の負担の軽減
財産整理をすることで、相続手続きするべき財産がどのくらいあるか明確にわかり、残されたご家族の手続きがスムーズになります。
また、遺産相続の意思表示(誰にどんな財産をどれだけ相続させたいか)をすることで、残されたご家族での揉め事が回避できます。また、葬儀に関してもどのような葬儀にしたかを明確に記しておくと、ご家族も悩むことなく決められます。
終活を始めるタイミングは早いほど良い
ここでは、終活を始めるタイミングについてご紹介します。
終活は出来るだけ早く始めた方がいい
終活を始めるタイミングは特に決まっているわけではありませんが、早いほうがいいです。
その理由は、終活を始めることで終活を含めた人生設計(ライフプラン)を考えることができ、より豊かな人生を送れます。
最近では20代でも終活を意識し、老後どうしたいかの人生設計を考えて就職活動をしている人もいるようです。また、生前整理や遺産相続関係は特に体力と、複雑な手続きが必要となります。
そのため、50代~60代のまだまだ体力のあるうちに少しずつでも進めておく事をお勧めします。
60歳前後で終活を意識する人が多い
実際には60歳前後から終活を始める人・意識する人が多いそうです。
60歳前後というと「定年退職」「子育てがひと段落する」「還暦」など人生の節目となる時期なので、ひと区切りついて意識し始める人が多いようです。
このように、人生がひと区切りつくようなライフイベントに合わせて終活を始めてみるのもいいかもしれません。
葬式やお墓の希望は書面に残しておく
ここでは、葬式やお墓の希望についてご紹介します。
エンディングノート
エンディングノートとは、最後をどのように迎えたいかの希望をまとめるノートです。
「残されたご家族が対応に困らないようにする」「自身の意志を示す」役割を持っているだけではなく、「自身のこと」「家族・親族・友人の一覧」「相続に関すること」「葬儀に関すること」など、現時点で気になる事を書くと、自身の気持ちの整理ができます。
さらには、ご家族がお困りになる可能性が低くなります。
例えば、葬儀に関することを記入しておかないと葬儀をめぐる親族のトラブル(葬儀の進め方などで揉めるなど)に繋がりかねないので、自分が最後を迎えた後に残されたご家族が困りそうな要因に関してしっかり自分の意志を記入しておくと良いでしょう。
ちなみに、エンディングノートには遺言状と異なり法的効力はないので、遺産相続に関して心配がある方は遺言状を残すことをお勧めします。
遺言書
葬儀が終わって親族同士の争いの元となることが多いのが遺産相続です。
特に、被相続人の持ち家に同居している相続人がいる場合、持ち家を売却することで現金化し分割しなければならないときもあるのでトラブルが発生しやすいです。
このようなトラブルや親族同士の遺産争続にならないように、相続に関することは遺言書に明確に記しましょう。
遺言書を残すことで主に「相続人の指定」「相続分の指定」「法定相続人以外への財産分与」などが可能となり、メリットとしては主に以下の内容があります。
- 相続人同士の遺産分割協議がスムーズに行える
- 孫や内縁の夫などにも財産分与が可能
- 相続人同士がもめることなく相続手続きが可能
ただし、法定相続人の最低限の権利を保証する遺留分という制度があります。
基本的に亡くなった人の意志を記した遺言書の内容が優先されるべきではありますが、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人には最低限の相続財産を取得しうるというものです。
まとめ
今回は終活のメリットやエンディングノートや遺言書についてご紹介しました。
終活は自分だけではなく、残されたご家族にとって大切な活動です。
エンディングノートや遺言書を活用することで自身の気持ちの整理・残されたご家族の負担の軽減を行ない、悔いのない豊かな人生に繋げていきましょう。
終活をポジティブな活動として考え、早めにやることをお勧めします。