覚えておきたい遺された人への生前整理のメリット
自分の死を見据えて、元気なうちに身の回りを整理するのが生前整理です。生前整理を行う目的は人それぞれによって異なります。
けれどもほとんどの人が、自分の死後周りの人に対して迷惑をかけたくないという気持ちから生前整理を希望するのではないでしょうか。
ここでは、生前整理の大きな目的でもある、遺された人へのメリットをご紹介します。一人暮らしで親族と疎遠になっている人や、子どもたちは遠方にいる人で、生前整理を考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
生前整理のいいところ
「迷惑をかけたくない」気持ちから生前整理を行うのは、子どもや家族、周囲の人に対する気遣いの気持ちから。他人に迷惑をかけないための生前整理によって得られるメリットを挙げておきます。
- 遺された人たちが遺品や遺産の処分に困らない
- 形見分けや遺産を適切に分配できる
- 生きているうちから気持ちが楽になる
これら3つのメリットをそれぞれ見ていきましょう。
遺された人たちが遺品や遺産の処分に困らない
生前整理をしていない状態で自分が亡くなる、または入院すると、当然家の中や自分の身の回りはそのままの状態になってしまいます。
特に家の中に物をためこんでいる状態で亡くなると、遺族の人たちは家の中にあふれている膨大な物の中から遺品を探して分別し、形見分けをしたり処分をしたりしなければいけません。
さらに、今は元気でも今後さらに年を重ねるにつれて、記憶力や判断力といった認知能力も低下していきます。
自分の身の回りの状況も判断しづらいほどになると、家の中も外も整理整頓をしなくなったり、ゴミをそのまま放置したりすることもあります。
また、残された遺族は遺品の分別や整理に加えて、清掃などの手間もかかります。
生前整理をしておけば、自分が亡くなった後、遺族が遺品や遺産の分別や処分に困ることはありません。
特に、亡くなった人が持っていた物が多ければ多いほど、遺品や遺産の分別や処理には時間や手間もかかります。
もちろん、専門の企業サービスに遺品整理や処分をお任せすることもできますが、それらを手配するのは遺族です。
あらゆる遺品や遺産の処分の手間を省き、遺族に亡くなった後も迷惑をかけずに済むのも、生前整理の大きなメリットです。
形見分けや遺品を適切に分配できる
生前整理をしていない状態だと、大切な物もそれほど大切でない物も煩雑になってしまいっています。
この状態で遺族が形見分けや遺品整理をしようとすると、物の本当の価値が埋もれてしまい、適切な分配ができない可能性があります。
特に、美術品や骨とう品などの価値は一見すると分からないため、価値が分からず、高価な物もそのまま処分されてしまう可能性もあるのです。
あらかじめ生前整理を行っておくと、形見として渡したいものや遺品として遺したいものを、自分でも把握できます。元気なうちに子どもたちや周囲の人に自分の手で渡すこともできます。
また、遺産は相続において自分の意志を伝える遺言状がありますが、遺品や形見として渡したいものも、整理しておけば自分で誰に渡したいという意志表示もできます。
エンディングノートなどに、遺品や形見分けの希望を書いて遺しておくこともできるので、適切な形見分けや遺品の分配につながるでしょう。
生きているうちからの安心感につながる
生前整理を考えている人の中には、配偶者はすでに先立たれて一人暮らしをしている人、子どもたちはすでに独立して家庭を持ち、遠方に住んでいる人も多いでしょう。
あなたの身近な人たちの中には、あなたが亡くなった後の処理や相続などの不安や心配をしている人もいるかもしれません。
あらかじめ自分自身で生前整理を行っておけば、周囲の人に「生前整理をしておいた」と伝えることもできます。
きれいになった家の中の状態や、家や土地の処分や相続の意向、遺言状やエンディングノートの行方や有無も元気なうちに伝えられます。
特に、遠方に住んでいる子どもたちや周囲の人にとっては、あなたが生前整理をすでに済ませていることを聞けば、安心する人が多いでしょう。
自分が元気なうちに、周りの人へ安心感を与えられるメリットも生前整理で得られるのです。
自分の子どもたちや周りの人たちも、あなたの死後の処理や遺品整理、遺産相続などへの話題は出しにくいでしょう。
あなた自身で「生前整理を行ったから安心して」と声をかけるだけで、大きな安心感を与えられますよ。
まとめ:生前整理は周りの人への配慮が最大のメリット
生前整理を行うと得られる、周りの人や遺族へのメリットを3つご紹介しました。生前整理は元々周りの人へ自分が亡くなった後面倒をかけたくない気持ちから行いたい人も多いはず。
遺品整理や処分などの手間をかけさせないだけでなく、自分が元気なうちから周囲の人に安心感も与えられるでしょう。