親の生前整理で得られる子供のメリット
遠方で一人暮らししている親御さんのいる方も多いですよね。親御さんの年齢とともに不安になるのが、親御さんの介護や亡くなった後のことです。
ご本人が亡くなった後、ご遺族の負担や手間を軽減できる手段として注目されているのが生前整理ですが、実は負担や手間の軽減以外にも多くのメリットがあります。
子どもの立場から見た、親の生前整理で得られるメリットをご紹介します。
亡くなった後の負担が軽減できる
親御さんが亡くなった後、残された遺族は、葬儀の手配や死亡届を始めとした役所への必要書類の作成や提出、その後、家の片付けや遺品の整理などやることがたくさんあります。
さらに人が亡くなるのは突然のことですので、普段仕事や育児などで忙しい世代の子どもたちが、親が亡くなったことで数日間忙しく動き回るということも珍しくありません。
亡くなった数日間はやることが多いので、なかなか親をゆっくり偲ぶということもできないかもしれません。
特に、両親が亡くなった後は家の中や遺品の整理、形見分け、そして処分も行わなければいけません。ただでさえ忙しくあわただしい中での遺品整理や処分、家の清掃は子供たちにとって大きな負担にもなるでしょう。
生前整理をあらかじめ行っておくと、葬儀や書類提出などが終わった後、遺品整理や処分をするとしても、大幅に手間や負担を軽減できます。
処分する物も少なくて済みますし、場合によっては生前整理の時点で大切な遺品や形見分けは済んでいる可能性もあります。遺品整理や、処分そのものの負担を大幅に軽減できるのも、生前整理の大きなメリットです。
分配や相続が適切かつ公正に行われる
生前整理は、親御さんの身の回りや部屋、家の中の物を片付けるだけではありません。元気なうちにどんな財産を持っているか把握することができるのです。
金銭や預貯金、土地や建物などの不動産、さらに借金やローンなどのマイナスの財産も棚卸することで、元気なうちに遺産の分配や相続を進めておくことができるのです。
親御さんが亡くなると、ほかにやることもたくさんありますので、ゆっくりと相続や分配に関する話し合いができない場合があります。さらに、兄弟が多い場合は仕事などの都合で全員が集まれる機会もなかなか無いでしょう。
そして、遺産や相続に関することは、兄弟間でトラブルに発展してしまう可能性もあります。あらかじめ生前整理をしておけば、慌てて遺産や相続に関する手続きに進むこともありませんし、トラブルへの発展も防げます。
また、遺された遺品の中には美術品や骨とう品など、素人目では価値が分からないものもあります。
あらかじめ生前整理をしておけば、親御さんや専門業者でないと価値が分からない物の在り処や存在も把握できますので、価値のあるものを公正かつ適切に分配することができるのです。
突然の死でも適切な行動ができる
人の死は突然にやってきます。昨日まで元気だった親御さんが突然亡くなってしまう、ということも決して珍しくありません。
子どもとして亡くなった直後は葬儀の手配や書類の作成など、忙しい時間を過ごしているため、ゆっくりと悲しむ暇がありません。
けれども、葬儀も済んでひと段落したところで、遺品整理や親御さんの家の片づけをしようとしたところ、親御さんの死を改めて実感し、一気に悲しみが襲ってくるということも多いのです。
忙しさにかまけて悲しむ暇もない時はよかったのですが、ふと落ち着いたタイミングで何も手につかないくらい動揺してしまったり、悲しみにくれたりしてしまう人もたくさんいます。
すると、遺品整理や家の片づけをしようとしても悲しみや落ち込みで作業が進まないことがあるのです。
あらかじめ生前整理をしておくと、突然の悲しみから作業が進まなくても、作業や家の片付けそのものがあらかじめされている状態のため、子どもに対しての負担も少ないので、慌てて作業する必要もありません。
悲しい中でも、親御さんのことを考えながらゆっくり遺品整理や形見分けなどの作業ができる余裕も生まれます。
精神的な安心感にもなる
親御さんが遠く離れて住んでいる場合は、亡くなった後の家の片付けや物の処分、さらに遺産の分配のことを考えると不安になる人も多くいます。
そんなときでも、あらかじめ両親と相談し生前整理を行っておけば、逝去後の手続きに対する不安も和らぎます。親が元気なうちから、後々の心配をしなくていい安心感にもつながるでしょう。
まとめ：生前整理は子どもの立場からもメリットが多い
生前整理を行っておくと、子どもの立場から得られるメリットを4つご紹介しました。ご本人だけでなく子どもの立場からもメリットの多い生前整理は、手間や負担の軽減だけでなく、安心感や精神的な余裕も得ることが出来ます。
